1.大正時代の教科書
『高等小學讀本. 卷1』 文部省 著 大正15年2月(1926年)(国立国会図書館オンライン)
大正時代の高等小学校(12歳〜14歳が通学。現在の中学1、2年に相当)の教科書にて、『吉野』は活字で『吉』となっております。
『尋常小學算術書. 第4學年兒童用』 文部省 著 大正8年12月(1919年)(国立国会図書館オンライン)
大正時代の尋常小学校(じんじょうしょうがっこう。現在の小学校に相当)の4年生の算数の教科書にて、『長吉』は活字で『吉』となっております。
『尋常小学書き方手本.第3学年用 下 甲種』 文部省 著 大正4年(1915年)(国立国会図書館オンライン)
大正時代の尋常小学校の3年生の書き方の教科書にて、『秀吉』は楷書で『吉』となっております。
2.大正時代の文学
『少年.續篇』 芥川龍之介 著 大正13年(1924年)(国立国会図書館オンライン)
芥川龍之介の小説、『少年.續篇』(しょうねん.ぞくへん)の原稿にて、『保吉』は手書きで『吉』となっております。
また、『結末』の『結』の字のつくりは、手書きで『吉』となっております。
『二人の稚兒』 谷崎潤一郎 著 大正7年(1918年)(国立国会図書館オンライン)
『羅生門』 芥川竜之介 著 大正6年(1917年)(国立国会図書館オンライン)
芥川竜之介の著書である『羅生門』に収められている短編、『孤獨地獄』にて、『吉原』は活字で『吉』となっております。
『散柳窓夕栄』 永井荷風 著 大正3年(1914年)(国立国会図書館オンライン)
『雪』 久保田万太郎 著 大正2年(1913年)(国立国会図書館オンライン)
久保田万太郎の戯曲である『雪』では、『良吉』は活字で『吉』となっております。
3.大正時代の地誌
『茨城県東茨城郡吉田村是』 出版社:吉田村 大正1年(1912年)(国立国会図書館オンライン)
旧茨城縣東茨城郡吉田村(現在の茨城県水戸市)の地誌である『茨城県東茨城郡吉田村是』では、『𠮷田村』は活字で『𠮷』となっております。
また、『茨城縣東茨城郡𠮷田村全圖』の地図では、楷書で『𠮷』となっております。
ただし、本書の本文では、『吉田村』は活字で『吉』となっております。
本書の発行を記した刊記でも、『吉田村役場』は活字で『吉』となっております。
4.大正時代のマンガ
『忍術漫画』 山田みのる 著 大正9年(1920年)(国立国会図書館オンライン)
山田みのるの作品である『忍術漫画』にて、『怪童大吉』は活字で『吉』とありますが、漫画の方では『怪童大𠮷』となっており、『𠮷』が使われていますね。
また、同作品にて、『骨無ブル吉』は活字で『吉』とありますが、漫画の方では『骨無ブル𠮷』となっており、『𠮷』が使われていますね。
また、同作品にて、『兎吉』は活字で『吉』とありますが、漫画の方では『兎𠮷』となっており、『𠮷』が使われていますね。
はじめまして、作家の水瀬希星です。
この度、楽天ブックス様の電子書籍より、吉の字の歴史をテーマにした本、『吉を辿る物語 上』を上梓させていただきました。
吉と𠮷とは? 吉と𠮷の歴史とは? など、について100以上の古書や古文書(明治時代の小学読本や源氏物語や東海道五拾三次や膝栗毛や関ヶ原合戦絵巻など)に記された吉と𠮷の字をめぐる本になっております。
主人公は、17歳の男子高校生二人で、歴史上の様々な吉と𠮷について触れていく冒険読本です。
『吉を辿る物語 上』では、昭和時代から戦国時代までの吉と𠮷の歴史を、愛でていただけます。
(下巻は、日本の室町時代から古墳時代まで、そして古代中国を予定しております。)
吉と𠮷の歴史につきまして、ご興味がございましたら、ぜひ御手にとって、近代、近世、中世の吉と𠮷をご鑑賞して愛でて頂ければ、この上ない幸せです。
どうぞ宜しく御願いいたします。
令和三年、夏、葵月
水瀬希星
吉を辿る物語 上 [電子書籍版]
0コメント